こんにちは。四天王寺南門前にある透析クリニック、医療法人慈洋会赤垣クリニック院長、赤垣洋二です。当院では、透析リハビリテーションについて、透析治療に精通した医師や看護師が種類豊富な資料を準備し、情報提供ができるように体制を整えております。最新の情報も随時更新し、患者様へ有意義な情報を提供する努力を行っております。また、訪問看護施設やデイサービス事業所と連携した対応も可能です。
透析の基礎知識シリーズ:透析治療の総合ガイド第5回目は【リハビリのポイント】についてです。
リハビリテーションの重要性
透析患者さんは、透析治療による疲労や運動不足により、筋力が低下しやすい傾向にあります。適切なリハビリテーションを行うことで、以下のような効果が期待できます:
- 筋力低下の予防
- 心臓や肺の機能維持
- 血液循環の改善
- 透析効率の向上
- 生活の質(QOL)の向上
寝たままできる運動
ベッドや布団の上で安全に行いましょう
足首の運動
- つま先をゆっくり上下に動かす(10回程度)
- 足首を回すように動かす(左右5回ずつ)
- 足首をゆっくり左右に振る(5回程度)
足の運動
- 膝を少し曲げて足を左右に開く(5回程度)
- 膝を曲げ伸ばしする(片足ずつ5回程度)
- お尻に力を入れて緩める(5秒×5回)
腕の運動
- 手をゆっくり上げ下げする(シャントがない方の腕)
- 指を開いたり閉じたりする(10回程度)
- 手首をゆっくり回す(左右5回ずつ)
座ったままできる運動
背もたれのある安定した椅子を使いましょう
足の運動
- つま先立ちを軽く行う(5回程度)
- 膝をゆっくり伸ばし5秒保持(片足ずつ3回)
- 足踏み運動(20回程度)
腕の運動
- 肩をゆっくり回す(前後5回ずつ)
- 手を前に伸ばしてグーパー(10回程度)
- 手を机について体重を支える(5秒×3回)
体幹の運動
- 背筋をまっすぐに伸ばして5秒保持
- ゆっくりと体を左右に傾ける(5回程度)
- 深呼吸をしながら肩を上げ下げ(5回程度)
運動時の注意点
以下の点に気をつけましょう:
- 痛みを感じたらすぐに中止
- ゆっくりとした動作で行う
- 呼吸を止めないように注意
- シャント側の腕は使わない
- 疲れを感じたら休憩を入れる
運動のタイミング
以下の時間帯がおすすめです:
- 朝食前後の体調の良い時
- テレビを見ながらでも可能
- 透析中(スタッフに確認が必要)
- 就寝前のリラックスした時間
継続のコツ
- 無理のない回数から始める
- 毎日少しずつ行う
- 家族に励ましてもらう
これらの運動は、体調に合わせて無理なく少しずつ行うことが大切です。継続することで、透析効率の向上や体力の維持、さらには心身の健康づくりにつながります。ご自身のペースでコツコツと続けていきましょう。