1. カリウムの管理
カリウムは心臓の働きに大きく影響する栄養素です。以下のポイントに気をつけましょう:
生野菜は必ず茹でこぼしを行う
果物は1日1品目程度に制限
避けたい食品:
バナナ、メロン、キウイ
干し柿、干しブドウなどの乾燥果物
生のトマト、ほうれん草
ポテトチップスなどの加工食品
2. リンの管理
リンの過剰摂取は骨の健康に影響を与えます:
乳製品は控えめにする
加工食品の摂取に注意
魚の干物は避ける
リン吸着薬は医師の指示通り服用する
リンが多い食品:
チーズ、ヨーグルト
小魚の佃煮
ナッツ類
3. 塩分制限
塩分制限は水分管理の基本です:
1日の塩分摂取量は6g以下を目標に
減塩調味料の上手な活用
香辛料や酢を使って味付けを工夫
だしを活用した味付け
4. タンパク質の適切な摂取
良質なタンパク質を適度に摂取することが重要です:
主な摂取源:
肉類(脂肪の少ない部位)
魚類(生魚を中心に)
卵(1日1個程度)
1食あたりの目安:
肉や魚は一握り(80g程度)
卵1個
豆腐1/3丁
5. 水分管理のコツ
透析間の体重管理が重要です:
透析間の体重増加はドライウェイトの5%以内に
のどが渇いたときの対処法:
氷をなめる
うがいをする
レモンを少量なめる
保湿スプレーを使用
飲み物の工夫:
氷を多めに入れる
小さめのコップを使用
温かい飲み物を選ぶ
6. 調理の工夫
効果的な調理方法で、おいしく安全な食事を実現しましょう:
野菜の下処理:
小さく切って表面積を増やし、茹でこぼしの効果を高める
2回茹でこぼしでカリウムをさらに減らす
茹で汁は必ず捨てる
電子レンジでの下処理も効果的
調味料の工夫:
酢、レモン果汁、しょうが、にんにくなどの香味野菜を活用
香辛料(七味、カレー粉など)で薄味を補う
だしの風味を生かす
調理法の選択:
煮物は煮汁を残さない
焼き物や蒸し物を中心に
揚げ物は衣を薄くする
電子レンジ調理を活用
7. 外食時の注意点
外食時も栄養管理を意識しましょう:
メニューの選び方:
シンプルな調理法の料理を選ぶ
めん類は汁を残す
生野菜の多いメニューは避ける
注文時の工夫:
調理法の変更を依頼
薬味や調味料は別添えで
量の調整を相談
8. おすすめレシピ集
ご家庭で簡単に作れる透析食のレシピをご紹介します:
朝食メニュー
やさしい和風オムレツ
材料(1人分):卵1個、だし30ml、片栗粉少々、塩少々
作り方:
1. 卵を溶きほぐし、だしと片栗粉を加える
2. フライパンで薄く広げて焼く
3. 半熟状態で折りたたむ
昼食メニュー
さっぱり煮魚
材料(1人分):白身魚80g、生姜1かけ、酢大さじ1、だし100ml
作り方:
1. 魚に下味の塩少々をふる
2. だしと酢で煮る
3. 生姜を添える
夕食メニュー
茹でこぼし野菜の煮物
材料(1人分):人参50g、かぼちゃ50g、玉ねぎ30g、だし100ml
作り方:
1. 野菜を一口大に切る
2. それぞれ茹でこぼす
3. だしで軽く煮る(煮汁は残さない)
食事記録をつけることで、より確実な栄養管理が可能になります。不安な点があれば、必ず担当の医師や栄養士に相談しましょう。体調の変化にも注意を払い、異常を感じたら早めに相談することが大切です。