インフルエンザ脳症と高齢者
こんにちは。四天王寺南門前にある内科クリニック、医療法人慈洋会赤垣クリニック院長、赤垣洋二です。
インフルエンザ脳症は、インフルエンザウイルス感染後に起こる中枢神経系の障害です。この疾患は主に小児に多いとされていますが、高齢者も免疫力や体力の低下によって発症リスクがあります。高齢者の場合、初期症状が見逃されやすく、早期診断が難しいこともあります。
インフルエンザ脳症の症状
- 高熱が持続する。
- 意識障害(ぼんやりする、反応が鈍い)。
- 異常行動(幻覚や幻視、不安感)。
- けいれん発作。
- 強い頭痛や嘔吐。
高齢者の場合、これらの症状に加えて、もともとの認知症や神経疾患がある場合には症状がさらに複雑になることがあります。
発症のメカニズム
インフルエンザ脳症は、ウイルス自体が脳に直接感染するのではなく、ウイルスに対する免疫反応や炎症反応が過剰になり、脳の血管や神経細胞に影響を及ぼすことで起こるとされています。
高齢者におけるリスクと注意点
高齢者は、以下のような理由で重症化リスクが高いと考えられています:
- 免疫力の低下。
- 基礎疾患(高血圧、糖尿病、腎疾患など)の影響。
- インフルエンザ症状が軽度に見えるため、診断が遅れること。
治療と予防
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治療
- 発症初期に診断されれば、抗インフルエンザ薬や免疫抑制剤が使われることがあります。
- 点滴や酸素吸入など、全身管理が必要になることも多いです。
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予防
- ワクチン接種:高齢者は予防接種を受けることで発症リスクや重症化の可能性を軽減できます。
- 感染予防対策:手洗いやマスクの着用、部屋の加湿を心がける。
- 早期受診:発熱や異常行動が見られた場合、すぐに医師を受診する。
まとめ
高齢者のインフルエンザ脳症は、初期症状が曖昧なため見逃されることがあります。日頃から感染予防を徹底し、家族や介護者が異変を早期に察知することが大切です。迅速な対応が命を守る鍵となります。