高齢者にも注意が必要な「りんご病」について
こんにちは。四天王寺南門前にある内科クリニック、医療法人慈洋会赤垣クリニック院長、赤垣洋二です。
現りんご病(伝染性紅斑)は、パルボウイルスB19の感染によって発症する病気で、典型的には子どもに多いとされています。しかし、成人や高齢者も感染することがあり、特に高齢者では関節痛や全身の倦怠感など重い症状が出る場合があります。ここでは、りんご病の原因、症状、治療法、高齢者が特に気をつけるべき点を解説します。
りんご病の原因と感染経路
りんご病は、飛沫感染や接触感染によって広がります。感染者の咳やくしゃみ、ドアノブや手すりなどに触れた手を介して、口や鼻からウイルスが体内に入ります。発疹が出る頃には感染力がほぼなくなりますが、初期の風邪に似た症状の段階では感染力が強く、注意が必要です。
高齢者のりんご病:特徴とリスク
高齢者がりんご病にかかると、典型的な発疹が見られないことも多く、以下のような症状が出ることがあります:
- 関節痛:特に手足や膝の関節が痛むことが多い。
- 倦怠感や微熱:慢性的な疲労感が続く。
- 赤血球減少:血液疾患のある高齢者では、貧血が悪化する可能性があります。
また、免疫力が低下している高齢者や、ステロイド治療を受けている方は、感染が重症化するリスクがあります。
治療法
りんご病には特効薬やワクチンがありません。そのため、治療は以下のような対症療法が中心です
- 解熱剤や鎮痛剤を用いて症状を和らげる。
- 十分な休養と水分補給を心がける。
- 関節痛がある場合、無理な動作を避ける。
症状は通常、自然に治癒しますが、長引く場合や異常を感じた場合は医療機関を受診してください。
高齢者が注意すべき予防策
-
基本的な感染対策
手洗い、アルコール消毒、マスク着用を徹底しましょう。 -
人混みを避ける
流行期には、人が多く集まる場所への外出を控えることが効果的です。 -
家族との共有物を減らす
食器やタオルを共有しないことで、家庭内感染を予防できます。
最後に
高齢者にとってりんご病は見逃しがちな病気ですが、適切な知識と対応で健康を守ることができます。特に倦怠感や関節痛といった症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診してください。