高血圧治療薬の種類
こんにちは。四天王寺南門前にある内科クリニック、医療法人慈洋会赤垣クリニック院長、赤垣洋二です。今回は、当院通院中の患者様にも多い高血圧に利用するお薬についてまとめてみました。高血圧の治療には、生活習慣改善と、適切な内服管理が重要になってきます。
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利尿薬(Diuretics)
- 効果: 体内の余分な水分とナトリウムを排出することで、血液量を減らし血圧を下げる。
- 主な薬剤: ヒドロクロロチアジド、フロセミド。
- 使用例: 高齢者や心不全を併発している患者に適応。
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カルシウム拮抗薬(Calcium Channel Blockers, CCBs)
- 効果: 血管の平滑筋を弛緩させ、血管を広げることで血圧を下げる。
- 主な薬剤: アムロジピン、ニフェジピン。
- 使用例: 血管が硬くなりがちな高齢者や収縮期高血圧に効果的。
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ACE阻害薬(Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors)
- 効果: 血管を収縮させるアンジオテンシンIIの生成を抑制し、血管を広げる。
- 主な薬剤: エナラプリル、リシノプリル。
- 使用例: 糖尿病や腎疾患を持つ患者に適応されることが多い。
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ARB(Angiotensin II Receptor Blockers)
- 効果: アンジオテンシンIIが作用する受容体をブロックし、血管を広げる。
- 主な薬剤: ロサルタン、テルミサルタン。
- 使用例: ACE阻害薬で副作用が出た場合の代替薬としてよく用いられる。
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β遮断薬(Beta Blockers)
- 効果: 心拍数を減少させ、心臓のポンプ作用を軽減することで血圧を下げる。
- 主な薬剤: メトプロロール、ビソプロロール。
- 使用例: 心筋梗塞後や心不全患者に使用されることが多い。
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α遮断薬(Alpha Blockers)
- 効果: 血管の平滑筋を弛緩させ、血圧を下げる。
- 主な薬剤: ドキサゾシン。
- 使用例: 前立腺肥大を併発している患者に使用されることがある。
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直接レニン阻害薬(Direct Renin Inhibitors)
- 効果: レニンの分泌を抑制し、アンジオテンシンの生成を減らす。
- 主な薬剤: アリスキレン。
- 使用例: 他の薬と併用されることが多い。
選択のポイント
高血圧の治療は、単に血圧を下げるだけでなく、心血管疾患や腎疾患などの合併症リスクを減らすことを目的としています。複数の薬を併用する場合もありますが、副作用や生活習慣病との兼ね合いを考慮しながら医師が最適な治療を決定します。当院では、腎臓内科と循環器内科の両方の観点から治療法をご提案しております。
まとめ
高血圧治療薬には多くの種類があり、それぞれの薬が異なる機能を持っています。治療の成功には、薬だけでなく、食事や運動、禁煙といった生活習慣の改善も重要です。血圧管理について疑問がある場合は、医師や薬剤師に相談してください。