【腎臓内科と高血圧の深い関係】
―血圧と腎臓は“お互いを悪化させる”密接な関係にある―
◆ なぜ腎臓内科で「血圧」が重要なのか
腎臓は、体の中の“フィルター”として、
- 老廃物を排出する
- 体内の水分・塩分バランスを整える
- 血圧を調整するホルモンを分泌する
という重要な役割を担っています。
そのため、腎臓が弱ると血圧が上がりやすくなり、
逆に血圧が高い状態が続くと腎臓が傷つくという、悪循環が生まれます。
◆ 高血圧が腎臓に与えるダメージ
高血圧は、腎臓の血管を
- 狭くする
- 硬くする
- 弱くする
といった変化を引き起こし、腎臓の血流を低下させます。
その結果、
- ろ過機能が低下
- 老廃物が排出されにくくなる
- 体内の水分が増え、さらに血圧が上がる
という“血圧上昇スパイラル”に陥ります。
米国では、高血圧は腎不全の第2位の原因とされており、日本でも同様の傾向があります。
◆ 腎臓が悪くなると血圧も上がる
腎臓は血圧を調整するホルモン(レニン・アンジオテンシン系)をコントロールしています。
腎機能が低下すると、このホルモンバランスが乱れ、血圧が上がりやすくなることが知られています。
つまり、
高血圧 → 腎臓が悪化 → さらに高血圧
という“負のループ”が起こりやすいのです。
◆ 腎臓内科での血圧管理が重要な理由
腎臓病と高血圧は、心臓病や脳卒中などの心血管疾患とも深く関わっています。
そのため腎臓内科では、
- 血圧管理
- アルブミン尿の改善
- eGFRの維持
- 糖尿病・脂質異常症などの併存疾患のコントロール
を総合的に行うことが推奨されています。
特に、
家庭血圧や24時間血圧(ABPM)での評価が重要とされ、
診察室だけでは見えない“隠れ高血圧”や“夜間高血圧”の発見につながります。
◆ 腎臓を守るためにできること
腎臓と血圧の悪循環を断ち切るには、日常生活の工夫が欠かせません。
● 今日からできる腎臓ケア
- 塩分を控える(1日6g未満が理想)
- 体重管理
- 適度な運動
- 十分な睡眠
- 禁煙
- 定期的な血圧測定
- 健診で尿検査・血液検査を受ける
腎臓は“沈黙の臓器”と言われ、症状が出にくい臓器です。
だからこそ、早期発見・早期対策がとても大切です。
◆ まとめ
腎臓と高血圧は、切っても切れない関係にあります。
どちらかが悪くなると、もう一方も悪化しやすい――そんな密接なつながりを持っています。
腎臓内科での血圧管理は、
腎臓を守るだけでなく、心臓・脳・血管を守ることにもつながります。
腎臓内科では、腎臓管理を通じて全身管理を行っております。体調不良でお悩みの際は、ぜひご相談ください。






