腎臓病の食事療法について
こんにちは。四天王寺南門前にある内科クリニック、医療法人慈洋会赤垣クリニック院長、赤垣洋二です。本日は、腎臓に不安を抱えている方々に毎日の食事から腎臓を守るポイントを簡潔にご説明します。
腎臓病の食事療法は、患者さんの健康管理において非常に重要な役割を果たします。この記事では、腎臓病患者さんが知っておくべき食事療法の基本的な考え方について解説します。
目次
- 塩分制限の重要性
- カリウムコントロールと野菜・果物の摂取
- タンパク質制限の考え方
- 専門家による管理の必要性
1. 塩分制限の重要性
腎臓病の食事療法で最も重要なのが塩分制限です。目標は1日6g以下とされていますが、これは一般的な日本人の摂取量の約半分に相当します。
塩分制限のメリット:
- 血圧のコントロール改善
- 降圧薬の効果向上
- 腎機能低下の進行抑制
★ 塩分制限を無理なく続けるコツ: • 酢の物を積極的に取り入れる • だしの風味を活用する • 香辛料を上手に使う • 具材を増やして満足感を出す
2. カリウムコントロールと野菜・果物の摂取
腎機能が低下すると、カリウムの排泄能力も低下するため、野菜や果物の摂取には注意が必要です。
カリウムが多い食品:
果物 | 野菜 |
---|---|
バナナ | 里芋 |
アボカド | さつまいも |
キウイ | かぼちゃ |
メロン | 白菜 |
★ 注意:野菜・果物の制限は個人の状態に応じて調整が必要です。特にeGFR30以上の方や高齢者では、必要以上の制限は避けるべきです。
3. タンパク質制限の考え方
タンパク質制限は腎機能の状態に応じて以下のように設定されます:
- CKD stageG3a(eGFR45以上):0.8-1.0g/kg/日
- CKD stageG3b以降(eGFR45以下):0.6-0.8g/kg/日
★警告:タンパク質制限は専門家の指導なしで行うと危険です。特に高齢者では過度な制限によりフレイルのリスクが高まります。
4. 専門家による管理の必要性
腎臓病の食事療法は、以下の理由から必ず専門家の指導のもとで行う必要があります:
- 定期的な検査による状態の確認が必要
- 個人の状態に合わせた細かな調整が必要
- 栄養バランスの維持が重要
- 合併症予防の観点からの管理が必要
食事療法は、採血結果や身体状態によって適宜調整が必要です。インターネットの情報だけを頼りに我流で行うことは避け、必ず専門医や管理栄養士に相談しましょう。