肺非結核性抗酸菌症(肺NTM症)とは|赤垣クリニック|大阪市天王寺区の人工透析クリニック

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肺非結核性抗酸菌症(肺NTM症)とは|赤垣クリニック|大阪市天王寺区の人工透析クリニック

肺非結核性抗酸菌症(肺NTM症)とは

こんにちは。四天王寺南門前にある内科クリニック、医療法人慈洋会赤垣クリニック院長、赤垣洋二です。

細菌、ニュース番組にも取り上げられた肺NTM症について時折質問をいただくことがあるので、情報をまとめました。肺NTM症とは非結核性抗酸菌(NTM)による肺感染症で、進行性の慢性疾患として知られています。この疾患は、高齢者や免疫力が低下した人に多く発生します。


感染経路

NTMは、環境中に広く分布している抗酸菌の一種です。土壌、水、ほこり、湿気の多い場所(シャワーや加湿器)などが主な存在場所です。感染は以下のように起こります:

  • 吸入経路:空気中の微粒子に含まれるNTMを吸い込むことで肺に感染します。
  • 水を介した感染:汚染された水を吸い込んだり、気道に入り込むことで感染する可能性があります。

※ 人から人への直接的な感染は稀です。


診断

肺NTM症は症状が結核や他の肺疾患と類似しているため、診断には専門的な検査が必要です。

  1. 症状
    • 長引く咳や痰。
    • 血痰。
    • 倦怠感や体重減少。
    • 発熱や夜間の発汗。
  2. 検査
    • 画像検査:胸部CTで結節影、気管支拡張、空洞病変を確認。
    • 喀痰検査:喀痰中にNTMを検出。
    • 培養検査:菌を培養して特定する。
    • PCR検査:菌種の特定に使用される。

治療

肺NTM症の治療は長期間にわたり、多剤併用療法が主流です。

  1. 薬物療法

    • 薬剤の選択は菌種により異なりますが、一般的には以下が使用されます:
      • クラリスロマイシンアジスロマイシン(マクロライド系抗菌薬)。
      • リファンピシン
      • エタンブトール
    • 治療は通常1年半から2年以上続けられます。
  2. 外科的治療

    • 病変が限局している場合や薬物療法が無効な場合には、外科的切除が選択されることもあります。
  3. 感染予防

    • NTMを含む水やほこりへの暴露を減らすため、家庭環境の管理が重要です。
    • シャワーヘッドの清掃や加湿器の適切な使用が推奨されます。

注意点

  • 治療の副作用に注意し、定期的に医師の診察を受けることが必要です。
  • 高齢者や基礎疾患を持つ方は特に感染リスクが高いため、早期発見と適切な治療が重要です。

肺NTM症は診断が遅れることも多い疾患です。咳や体調不良が続く場合は早めに専門医に相談しましょう。