糖尿病の「3大合併症」とは、高血糖状態が長期間続くことで全身の細小血管が傷つき、特に影響を受けやすい3つの臓器に起こる重大な障害を指します。これらは進行すると生活の質を大きく損ない、場合によっては命に関わることもあるため、早期発見と予防が非常に重要です。
⚠️ 糖尿病の三大合併症
① 糖尿病性網膜症(もうまくしょう)
- 影響部位:目の網膜(視神経)
- 原因:網膜の毛細血管が高血糖で傷つき、出血や浮腫を起こす
- 症状:視力低下、視野の欠け、最悪の場合は失明
- 検査・予防:眼底検査を年1回以上、血糖・血圧・脂質の管理が重要
② 糖尿病性腎症(じんしょう)
- 影響部位:腎臓の糸球体(血液のろ過装置)
- 原因:高血糖により腎臓の細小血管が障害され、ろ過機能が低下
- 症状:蛋白尿、むくみ、倦怠感、進行すると腎不全・透析が必要
- 検査・予防:尿検査(微量アルブミン)、血液検査(eGFR・クレアチニン)、塩分制限と血糖管理
③ 糖尿病性神経障害(しんけいしょうがい)
- 影響部位:全身の末梢神経・自律神経
- 原因:高血糖による神経細胞の障害と血流不足
- 症状:手足のしびれ・痛み・感覚鈍麻、胃腸障害、排尿障害、立ちくらみなど
- 検査・予防:神経診察、足の観察、血糖コントロールと禁煙
🩺 なぜ三大合併症が起こるのか?
糖尿病は「血糖の病気」であると同時に、「血管の病気」でもあります。高血糖が続くと、毛細血管が傷つき、酸素や栄養が届きにくくなります。その結果、目・腎臓・神経という細かい血管が集中する臓器が特にダメージを受けやすいのです。
✅ まとめ:合併症は“沈黙の進行”に注意
糖尿病の三大合併症は、初期には自覚症状がほとんどありません。だからこそ、定期的な検査と生活習慣の見直しが不可欠です。血糖値だけでなく、眼底・尿・神経のチェックを通じて、合併症の早期発見・予防につなげましょう。