こんにちは。四天王寺南門前にある内科クリニック、医療法人慈洋会赤垣クリニック院長赤垣洋二です。本日は、1度悪くなってしまうと、機能改善が困難な腎臓を守るために腎臓専門医が処方しているお薬をご紹介します。
クレアチニンを下げる薬はないの?
「クレアチニンの数値を下げる薬はないの?」これは多くの患者さんから寄せられる質問です。残念ながら直接クレアチニンを下げる薬は現在ありません。でも、ご安心ください!腎臓を守るための治療法は着実に進歩しています。
腎臓を守る3つの味方
- ①RAS系阻害薬(ACE/ARB)腎臓の中の「糸球体」という大切なフィルターを守る頼もしい味方です。血圧130/80mmHg以下を目指して、腎臓への負担を軽くします。
- ②SGLT-2阻害薬近年、大注目の薬です!糖尿病のお薬として開発されましたが、実は心臓も腎臓も守ってくれる優れものです。フォシーガ、ジャディアンス、カナグルなどがよく使われています。※ご高齢の方や尿路感染症になりやすい方は、慎重に検討する必要があります。
- ③ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬血圧を下げながら心臓と腎臓を守る、二刀流のお薬です。セララ、ミネブロ、ケレンディアなどが代表選手です。
【重要なポイント】
• クレアチニン値が2.0-3.0以下の段階で、これらのお薬を積極的に使用することが一般的です。
• お薬の使用は、患者さん一人一人の状態に合わせて慎重に検討する必要があります。
• 必ず主治医とよく相談して、最適な治療法を見つけましょう。
最近の治療のトレンド
腎臓病の治療は日々進歩しています。特にSGLT2阻害薬とミネラルコルチコイド受容体拮抗薬は、新しい治療の切り札として期待されています。早期発見・早期治療で、腎機能低下の進行を抑えることが可能になってきました。
腎臓病は、一度進行すると、改善が難しく後悔しないためにも、生活習慣病の治療を腎臓専門医が行うことが必要な患者様もいらっしゃいます。腎臓に不安がある患者様は、腎臓専門医に一度ご相談されることをおすすめします。