手根管症候群:勉強会のご報告|赤垣クリニック|大阪市天王寺区の人工透析クリニック

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赤垣だより

手根管症候群:勉強会のご報告|赤垣クリニック|大阪市天王寺区の人工透析クリニック

こんにちは。医療法人慈洋会赤垣クリニック院長赤垣洋二です。院内で行った勉強会の内容をご紹介します。

手根管は手根骨と横手根靭帯により形成され、内部を指屈筋腱と正中神経が走行しています。横手根靭帯は屈筋腱を束ねている靭帯ということで屈筋支帯とも呼ばれています。透析患者さんの場合、β2-microglobulin(eβ2-m)を前駆蛋白とするアミロイドが横手根靭帯に沈着し靭帯が肥厚し、正中神経を圧迫するため、手根管症候群が発症すると考えられています。正中神経は親指から薬指の半分(親指側)の領域を支配しているのでその部分のしびれや痛みという症状がでます。

透析年数が10年を超えると手根管症候群の発症頻度が増加するといわれています。

手根管症候群の方は、手関節を屈曲することにより、手根管内の圧力が高まり、正中神経の圧迫が強くなることでしびれが誘発されます。よく聞かれる訴えは、自動車の運転でハンドルを長時間握っていると、指がしびれるというものや、自転車に乗っていると指がしびれてくるというものです。透析患者さんの場合、透析年数が10年以上で指のしびれがあれば、手根管症候群と診断して間違いありません。関節痛というのは、その関節を動かしている時に痛みがひどくなるということが多いのですが、手根管症候群のように神経の圧迫によって起こる関節痛は、安静時にひどくなるという特徴があります。透析の後半に指がしびれてきたり、指のしびれで夜明けに目が覚めるということがあれば、手根管症候群の可能性が高いです。