慢性腎不全とeGFR(腎臓病のステージ)|赤垣クリニック|大阪市天王寺区の人工透析クリニック

〒543-0052大阪府大阪市天王寺区大道1-4-9大信ビル2階
電話アイコン06-6775-1736

(Fax.06-6775-1780)

ヘッダー画像

赤垣だより

慢性腎不全とeGFR(腎臓病のステージ)|赤垣クリニック|大阪市天王寺区の人工透析クリニック

慢性腎臓病(CKD)とeGFR(推算糸球体ろ過量)は、腎機能の評価と病期分類において密接に関係しています。以下にその関係性を詳しく解説します。

🧠 eGFRとは?

eGFR(estimated Glomerular Filtration Rate)は、腎臓の糸球体が1分間にどれだけ血液をろ過できるかを推定した値で、腎機能の指標として使われます。

  • 単位:mL/分/1.73㎡(体表面積で補正)
  • 計算式:年齢・性別・血清クレアチニン値から算出
  • 正常値:おおよそ90〜120 mL/分/1.73㎡(加齢で自然に低下)

🔍 慢性腎臓病(CKD)とは?

CKDは、腎機能が低下した状態が3ヶ月以上持続する病気で、以下のいずれかで診断されます:

  • eGFRが60未満
  • 尿異常(蛋白尿・血尿など)や画像・病理異常がある

📊 CKDのステージ分類(eGFRによる)

ステージ eGFR(ml/min/1.73㎡) 腎機能の状態
G1 ≧90 正常または高値(異常所見がある場合のみCKD
G2 60〜89 軽度低下(異常所見がある場合のみCKD)
G3a 45〜59 軽度〜中等度低下
G3b 30〜44 中等度〜高度低下
G4 15〜29 高度低下(腎不全前段階)
G5 <15 末期腎不全(透析や腎移植が必要な可能性)

※GFRが60未満で、3ヶ月以上持続するとCKDと診断されます。

🩺 eGFRが低下するとどうなる?

  • 老廃物の排出が不十分になり、**尿毒症症状(倦怠感・吐き気・むくみなど)**が出る
  • 高血圧・貧血・骨代謝異常などの合併症が起こりやすくなる
  • 心血管疾患(心筋梗塞・脳卒中)のリスクが上昇
  • 進行すると透析や腎移植が必要になることも

✅ eGFRを維持するためのポイント

  • 血圧・血糖・脂質の管理(特に糖尿病・高血圧のある方)
  • 塩分制限(1日6g未満)と適度な水分摂取
  • 禁煙・節酒・運動習慣の確立
  • 定期的な尿検査・血液検査で早期発見・早期対応

🧩 まとめ:eGFRは“腎臓の健康を映す鏡”

eGFRは、腎臓のろ過能力を数値化したもので、慢性腎臓病の診断・進行度評価・治療方針の決定に不可欠な指標です。健康診断でeGFRが60未満だった場合は、放置せず医療機関での精密検査と生活習慣の見直しが重要です。