慢性腎不全と検査【ホルター心電図】|赤垣クリニック|大阪市天王寺区の人工透析クリニック

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赤垣だより

慢性腎不全と検査【ホルター心電図】|赤垣クリニック|大阪市天王寺区の人工透析クリニック

慢性腎不全(CKD)とホルター心電図検査には、心腎連関(cardiorenal syndrome)という重要な医学的つながりがあります。腎機能が低下すると、心臓にも負担がかかり、不整脈や心筋虚血などの心血管疾患リスクが高まるため、ホルター心電図による心臓の精密評価が非常に重要です。

慢性腎不全(CKD)とホルター心電図検査には、心腎連関(cardiorenal syndrome)という重要な医学的つながりがあります。腎機能が低下すると、心臓にも負担がかかり、不整脈や心筋虚血などの心血管疾患リスクが高まるため、ホルター心電図による心臓の精密評価が非常に重要です。

🧠 ホルター心電図とは?

ホルター心電図は、24時間以上にわたり心電図を連続記録する検査で、日常生活中の心拍の変化や一過性の不整脈・虚血の兆候を捉えることができます。

✅ 検査でわかること

  • 発作性の不整脈(心房細動・心室性期外収縮など)
  • 心筋虚血のサイン(ST変化)
  • 心拍変動(HRV)による自律神経バランスの評価
  • 症状(動悸・胸痛・めまい)との時刻一致
  • 薬剤やペースメーカーの効果判定

🩺 慢性腎不全と心電図異常の関係

慢性腎不全では、以下の理由から心電図異常が出やすくなります

🔹 電解質異常

  • 腎機能低下によりカリウム・カルシウム・マグネシウムのバランスが崩れる
  • 高カリウム血症 → 心室性不整脈・徐脈・心停止のリスク

🔹 心筋肥大・虚血

  • 高血圧・貧血・体液過剰により左室肥大や心筋虚血が進行
  • ST変化・QT延長・心拍数上昇などが現れる

🔹 心血管疾患の高リスク

  • CKD患者は心筋梗塞・心不全・突然死のリスクが高い
  • 心拍数>100bpmやQTc延長(≥440ms)は心血管死亡リスクの独立予測因子とされる

📊 検査の意義:CKD患者におけるホルター心電図の役割

検査目的 意義
不整脈の早期発見 高カリウム血症・心筋障害による致死性不整脈の予防
心筋虚血の評価 ST変化を捉え、狭心症や心筋梗塞の兆候を検出
自律神経の評価 心拍変動(HRV)からストレス・睡眠・交感神経過活動を把握
症状との相関 動悸・胸痛・失神などの原因を特定
予後予測 心拍数・QTc間隔などが心血管死亡の予測因子となる

✅ まとめ:ホルター心電図は“腎臓と心臓をつなぐ予防の鍵”

慢性腎不全では、腎機能の低下が心臓に影響を及ぼし、心血管疾患のリスクが高まるため、ホルター心電図による長時間心電図モニタリングは、予防・診断・治療方針の決定に不可欠な検査です。特に、電解質異常や症状がある患者では、透析導入前からの心電図評価が予後改善につながるとされています。