感染性胃腸炎が流行する季節に注意を!
こんにちは。四天王寺南門前にある内科クリニック、医療法人慈洋会赤垣クリニック院長、赤垣洋二です。寒さが厳しくなり、当院に受診される患者様で感染性胃腸炎を疑う患者様が徐々に増加しております。
感染性胃腸炎は、主にウイルスや細菌によって引き起こされる胃腸の炎症で、下痢、嘔吐、腹痛、発熱といった症状が特徴です。特に冬場に流行しやすい感染性胃腸炎は、集団生活を送る家庭や学校、職場などで感染が拡大しやすいため注意が必要です。
感染性胃腸炎の原因
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ウイルス性胃腸炎
- 主な原因: ノロウイルス、ロタウイルス。
- 特徴: 少量のウイルスでも感染しやすく、手指や食品を介して広がる。
- 流行時期: 冬季(11月~3月)。
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細菌性胃腸炎
- 主な原因: サルモネラ菌、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌。
- 特徴: 生肉や加熱が不十分な食品の摂取、または汚染された水が原因。
- 流行時期: 夏季に多いが、冬季でも注意が必要。
主な症状
- 急な嘔吐や下痢(水様便が多い)。
- 発熱や寒気。
- 腹痛や食欲不振。
- 重症化すると脱水症状や倦怠感が現れることもあります。
感染拡大を防ぐポイント
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手洗いを徹底
石鹸と流水での手洗いを心がけ、調理や食事の前後、トイレの後には特に念入りに洗浄を。 -
食品の取り扱いに注意
生肉や魚介類を扱う際は、包丁やまな板を専用に分け、調理後はしっかり加熱する。 -
嘔吐物や排泄物の適切な処理
消毒用アルコールや次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を使用し、感染源を広げないようにする。 -
集団感染を防ぐ
症状が治まってもウイルスは排泄物に存在するため、登校や出勤の再開には医師の指示を仰ぐ。
治療と予防
- 治療: 感染性胃腸炎は多くの場合、特別な治療は不要で、水分補給と安静が基本となります。ただし、脱水症状が強い場合や症状が長引く場合は、医師の診断を受けることが重要です。
- 予防接種: ロタウイルスは予防接種が可能です。乳幼児には接種を検討しましょう。
まとめ
感染性胃腸炎は、家庭内や施設内で集団感染を引き起こしやすい疾患です。特に冬季のノロウイルス感染は広がりやすいため、衛生管理を徹底することが何よりの予防策です。異常を感じたら早めに医療機関を受診し、他者への感染を防ぐ行動を心がけましょう。