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こんにちは。四天王寺南門前にある内科クリニック、医療法人慈洋会赤垣クリニック院長、赤垣洋二です。本日のテーマは【尿潜血】についてです。
尿潜血とは?
尿潜血(にょうせんけつ)とは、尿に血が混じっている状態を指します。これは“血尿”と呼ばれることもありますが、見た目ではわからないことが多く、健康診断や検査で初めて指摘される場合が一般的です。尿試験紙法と呼ばれる簡便な検査によって確認され、尿中の赤血球の有無をスクリーニングする際に利用されます。
尿潜血の原因
尿潜血の原因は、主に以下の3つのカテゴリーに分けられます。
1. 腎臓の病気
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IgA腎症などの免疫系の異常
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アルポート症候群などの遺伝性疾患
2. 泌尿器科の病気
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結石
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膀胱癌
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膀胱炎などの感染症
3. その他の原因
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薬の副作用
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激しい運動によるミオグロビン尿症
尿潜血を数値別に解説
健康診断では、尿潜血は“−”から“3+”までのスケールで判定されます。特に以下の場合に注意が必要です。
尿潜血が“3+”または“2+”の場合
明らかに尿に血液が混じっている可能性があります。この場合、尿沈渣(赤血球の数や形を調べる検査)を中心に、さらに詳しい精査が必要です。
尿潜血と尿蛋白がともに陽性の場合
尿潜血だけでなく尿蛋白も陽性の場合、腎臓に異常がある可能性が高まります。早めに腎臓内科での診察を受けることが推奨されます。
尿潜血を指摘されたときの検査
尿潜血を指摘された場合、医療機関では以下のような検査を行います。
1. 尿沈渣
尿に含まれる赤血球の数や形状を顕微鏡で調べる精密検査です。この検査により、出血源が腎臓か、それ以外の泌尿器系かを推測することが可能です。
2. 尿細胞診
膀胱癌など、悪性疾患の有無を調べるための検査です。特に高齢者やリスクが高い方に推奨されます。
3. 画像検査
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腹部エコー検査: 腎臓や膀胱の状態を超音波で確認。
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CT検査: 尿管や結石の詳細な評価が必要な場合に実施されます。
4. その他の検査
状況に応じて以下を追加で行うこともあります。
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血液検査
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尿中の菌を調べる培養検査
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尿蛋白の定量検査
どの診療科を受診すべき?
尿潜血を指摘された場合、基本的には泌尿器科が専門となります。ただし、尿蛋白も陽性の場合や腎臓の病気が疑われる場合には、腎臓内科を受診することが推奨されます。
尿潜血を放置しないで
尿潜血が見られる場合、特に症状がなくても放置すると重大な病気が進行してしまう可能性があります。健康診断や自宅検査で尿潜血が“2+”以上の場合は、早めに医療機関での診察を受けましょう。
当院での診療について
当院では尿潜血に対する以下の診療を行っています。
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初診日:
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医師による診察
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尿検査
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必要に応じて血液検査
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再診:
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腹部エコー検査
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結果説明と今後の治療方針の相談
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泌尿器科や腎臓内科での診察が必要か迷われている場合でも、お気軽にご相談ください。必要に応じて、専門医療機関への紹介も対応いたします。
尿潜血は放置すると危険な場合もあります。健康診断で指摘を受けたら、まずは医療機関に相談し、安心を手に入れる一歩を踏み出しましょう。