大人も子供もかかる「手足口病」:症状と治療法
こんにちは。四天王寺南門前にある内科、医療法人慈洋会赤垣クリニック院長赤垣洋二です。最近、子供だけではなく大人にも流行している手足口病について簡単にご説明いたします。
手足口病は、幼児や小児によく見られる病気ですが、大人も感染することがあります。夏から秋にかけて流行することが多く、家族内での感染も増えやすい病気です。主な症状や治療法を知っておくことで、早期発見や感染予防に役立てることができます。
1. 手足口病とは?
手足口病は、**エンテロウイルス**と呼ばれるウイルスが原因で発症します。エンテロウイルスにはさまざまな種類があり、コクサッキーウイルスやエコーウイルス、エンテロウイルス71などが手足口病の原因として知られています。これらのウイルスは、飛沫感染や接触感染によって広がります。
2. 症状
手足口病の主な症状は、発疹と発熱です。
-発疹:名前の通り、手足や口の中に小さな水疱ができます。発疹はかゆみを伴うことが少なく、手のひらや足の裏、膝や肘、臀部にも現れることがあります。口の中の水疱は痛みを伴うことが多く、食事や飲み物を摂るのが難しい場合もあります。
-発熱:軽度の発熱が数日間続くことが多いですが、時には38度を超える高熱が出ることもあります。
-その他:子どもが発症するケースでは、元気がなくなったり、食欲が低下することがあります。一方、大人の場合は症状が軽いことが多いですが、疲労感や微熱が続くことがあります。
3. 治療法
手足口病には特効薬はなく、症状に応じた対症療法が中心です。
– 痛みのケア:口内の痛みが強い場合は、鎮痛剤を使用したり、冷たい飲み物やゼリー状の食品で対応することが推奨されます。辛い、酸味のある食品は避け、喉への刺激が少ないものを選びましょう。
-発熱の対応:発熱がある場合は、解熱剤を使用することも可能です。ただし、子どもには医師の指示に従った解熱剤を使用し、安静を保つようにします。
-水分補給:発熱や発疹の痛みから水分が不足しがちになるため、こまめな水分補給が重要です。口の痛みがある場合には、スポーツドリンクやイオン飲料などを少量ずつ摂るとよいでしょう。
4. 予防法
手足口病を予防するには、**手洗いや消毒**が最も効果的です。また、ウイルスは感染後もしばらく便に残るため、排泄後の手洗いも徹底しましょう。家族内で感染が疑われる場合、タオルや食器を分けるなどして感染予防を行います。
終わりに
手足口病は、特に幼児にとっては辛い病気ですが、大人にも感染することを知っておくと、家族全体で予防を徹底しやすくなります。重症化することは少ないですが、ウイルス性のため完治には時間がかかることがあるので、無理せずに休養をとることが大切です。