こんにちは。医療法人慈洋会赤垣クリニックの院長、赤垣洋二です。夏は気温や湿度の上昇により、さまざまな健康リスクが増加する季節です。今回は、特に夏に多い病気とその予防法について詳しくお話しします。
熱中症
原因: 暑さによって体温調節機能がうまく働かず、体温が異常に上昇することで発症します。長時間の屋外活動やエアコンのない室内での過ごし方がリスクを高めます 。
症状:
- めまい
- 頭痛
- 吐き気
- 意識障害
予防法:
- こまめな水分補給
- 涼しい場所での休息
- 帽子や日傘の使用
食中毒
原因: 高温多湿な環境で細菌が繁殖しやすくなり、食べ物が傷みやすくなるため、食中毒が増えます。特に生鮮食品や調理済み食品の管理が重要です 。
症状:
- 下痢
- 腹痛
- 嘔吐
- 発熱
予防法:
- 食材の適切な保存(冷蔵・冷凍)
- 調理前後の手洗い徹底
- 食品の加熱調理
夏風邪
原因: ウイルス感染による風邪で、特にエアコンの効いた室内と外の温度差が原因となります。冷たい飲み物や食べ物の過剰摂取も一因です 。
症状:
- のどの痛み
- 鼻水
- 咳
- 発熱
予防法:
- 適度な室温の維持
- バランスの取れた食事
- 充分な睡眠と休息
皮膚炎
原因: 汗や紫外線による皮膚のトラブルが増える季節です。特に汗疹や日焼けによる皮膚の炎症がよく見られます 。
症状:
- 赤み
- 痒み
- 水疱
予防法:
- 日焼け止めの使用
- こまめなシャワー
- 涼しい服装
結膜炎
原因: プールや海での活動が増える夏は、細菌やウイルスによる結膜炎が増加します。特にプールの水質管理が不十分な場合にリスクが高まります 。
症状:
- 目の充血
- 目やに
- 痛み
予防法:
- プールや海での適切な目の保護
- 目をこすらない
- 手洗いの徹底
循環器疾患
1. 高血圧
原因: 暑さや脱水症状により血液が濃縮され、血圧が上昇することがあります。また、エアコンの効いた室内と外の温度差が血管にストレスを与えることも原因の一つです 。
症状:
- 頭痛
- めまい
- 動悸
予防法:
- こまめな水分補給
- 塩分摂取の制限
- 規則正しい生活
2. 心不全
原因: 暑さによって心臓への負担が増加し、心不全のリスクが高まります。特に高齢者や既に心臓に問題を抱えている方は注意が必要です 。
症状:
- 息切れ
- 足のむくみ
- 疲労感
予防法:
- 涼しい環境を保つ
- 適度な運動
- バランスの取れた食事
腎疾患
1. 脱水症状による腎機能の低下
原因: 暑さによる発汗で体内の水分が不足し、脱水症状を引き起こします。これにより腎臓の働きが低下し、腎不全のリスクが増加します 。
症状:
- 口渇
- 尿量の減少
- 体重減少
予防法:
- 定期的な水分補給
- 高温多湿の環境を避ける
- 利尿作用のある飲み物の摂取を控える
2. 高カリウム血症
原因: 腎機能が低下すると、体内のカリウムの排出がうまくいかなくなり、高カリウム血症を引き起こすことがあります。夏の暑さや脱水状態はこのリスクをさらに高めます 。
症状:
- 不整脈
- 筋力低下
- 息切れ
予防法:
- カリウムの摂取を制限
- 定期的な血液検査
- 医師の指示に従った薬物療法
まとめ
夏は楽しいイベントが盛りだくさんですが、健康リスクも多い季節です。適切な予防策を講じて、健康に過ごすことが大切です。もし体調に異変を感じたら、早めに医療機関を受診してください。皆さんが安心して夏を楽しめるよう、健康管理をしっかり行いましょう。