人工透析とは、腎臓の機能が著しく低下した際に、腎臓の代わりに血液を浄化する治療法です。腎臓は本来、体内の老廃物や余分な水分・電解質を尿として排出する役割を担っていますが、慢性腎不全などでその機能が失われると、体内に毒素が蓄積し、生命維持が困難になるため、人工的に血液を浄化する必要があります。
🧠 人工透析の目的
- 血液中の**老廃物(尿素・クレアチニンなど)**の除去
- 余分な水分の排出
- **電解質バランス(ナトリウム・カリウム・カルシウムなど)**の調整
- 血圧のコントロール
- 尿毒症症状(倦怠感・吐き気・意識障害など)の改善
🩺 人工透析の種類
種類 | 特徴 | 実施場所 |
血液透析(HD) | 血液を体外に取り出し、透析器(ダイアライザー)で浄化して戻す | 病院・透析施設 |
腹膜透析(PD) | 腹膜を透析膜として利用し、腹腔内に透析液を注入・排出する | 自宅・職場など |
✅ 血液透析の特徴(当院での治療はこちらです)
- 週3回、1回4時間程度が標準
- 医療スタッフの管理下で実施
- 老廃物除去効率が高い
- 通院負担がある
✅ 腹膜透析の特徴
- 毎日または連日交換
- 自宅で実施可能で自由度が高い
- 衛生管理と自己管理が必要
🔍 透析導入のタイミング
透析は以下のような状態で導入が検討されます:
- eGFR(腎機能指標)が10未満
- 高カリウム血症・心不全・重度のむくみ・尿毒症症状が出現
- 食事療法や薬物療法ではコントロール困難な場合
✅ まとめ:人工透析は“腎臓の代わりに命(人生)を支える治療”
人工透析は、腎臓の働きが失われた患者にとって生命維持に不可欠な治療法です。血液透析と腹膜透析のいずれも、患者の生活スタイルや合併症の有無を考慮して選択されます。当院では、個別送迎にて通院して頂いております。医師・看護師・臨床工学技士・ソーシャルワーカーなどのチーム医療による支援を大切にしております。