ヘモグロビンA1c(HbA1c)は、糖尿病の診断や治療効果の判定に使われる重要な血液検査項目です。血糖値は食事や運動によって日々変動しますが、HbA1cは過去1〜2ヶ月の平均的な血糖状態を反映するため、より安定した評価が可能です。
🧪 ヘモグロビンA1cの仕組み
ヘモグロビンは赤血球の中にあるたんぱく質で、酸素を運ぶ役割があります。血液中のブドウ糖(グルコース)は、ヘモグロビンと結びつく性質があり、この結合したものを「グリコヘモグロビン(HbA1c)」と呼びます。
赤血球の寿命は約120日なので、HbA1cの値は過去1〜2ヶ月間の血糖値の平均を反映します。つまり、HbA1cが高いほど、長期間にわたって血糖値が高かったことを示します。
🔢 HbA1cの基準値と判定の目安
HbA1c(%) | 判定の目安 |
~5.6% | 正常範囲 |
5.7~6.4% | 境界型(糖尿病予備軍) |
6.5%以上 | 糖尿病の診断基準 |
※糖尿病の診断には、HbA1cだけでなく空腹時血糖値や糖負荷試験などの併用が必要です。
🔍 HbA1cが高くなる原因
- 糖質の過剰摂取(白米・パン・甘いものなど)
- 運動不足(糖の消費が少ない)
- 肥満・内臓脂肪の蓄積(インスリン抵抗性の増加)
- ストレス・睡眠不足(ホルモンバランスの乱れ)
- 糖尿病の進行・治療不十分
🧘♀️ HbA1cを下げるための生活習慣
- 食事の見直し:糖質制限、食物繊維の摂取、食べる順番の工夫
- 運動習慣:ウォーキング・筋トレなどを週3〜5回
- 睡眠とストレス管理:毎日6〜7時間以上の質の良い睡眠
- 定期的な検査と医師のフォロー:HbA1cは2〜3ヶ月に1回の測定が推奨されます
✅ まとめ:HbA1cは血糖管理の“成績表”
ヘモグロビンA1cは、日々の血糖値の変動に左右されず、長期的な血糖コントロールの状態を把握できる指標です。糖尿病の予防・治療には、HbA1cの定期的なチェックと生活習慣の改善が欠かせません。検査値は体からのメッセージ。その声に耳を傾け、未来の健康を守る一歩を踏み出しましょう。