ヒートショックは浴室だけの問題ではない!そのリスクと対策
こんにちは。四天王寺南門前にある内科クリニック、医療法人慈洋会赤垣クリニック院長、赤垣洋二です。
寒い冬場、急激な温度変化による「ヒートショック」は浴室での事故が注目されがちですが、実は浴室以外の場所でも発生することがあります。特に高齢者や循環器疾患を抱える方では、そのリスクを広く理解し、防止対策を講じることが重要です。
ヒートショックが起こりやすい場所
- トイレ
寒いトイレに入ると、血管が急激に収縮し、血圧が上昇する可能性があります。特に排便時に力むことでさらにリスクが高まります。
- 対策: トイレにも暖房器具や便座ヒーターを設置し、温度差を減らす。
- 玄関
外出や帰宅時、暖かい室内と冷えた玄関の温度差で血圧が急上昇することがあります。特に早朝や夜間は注意が必要です。
- 対策: 玄関の断熱を強化し、コートやスカーフで体温を守る。
- 寝室
寒い部屋で寝起きする際、急に起き上がることで血圧が変動しやすくなります。心臓に負担をかけるリスクも高まります。
- 対策: 暖房器具や電気毛布を活用し、起床時はゆっくりと体を起こす。
ヒートショックの原因
ヒートショックは急激な温度変化が引き金となり、以下の状態を引き起こします:
- 血管の収縮や拡張による血圧の急激な変動。
- 心拍数の増加に伴う心臓への負担。
- 血流の変化による脳への影響。
防ぐために必要な生活習慣
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室温の統一
家全体の温度差を小さくするため、脱衣所やトイレ、玄関などに暖房器具を配置する。 -
温度差に備えた衣服選び
家の中でも靴下や羽織りものを着用し、寒い場所では温かい服装を保つ。 -
健康チェックを定期的に行う
血圧測定や心臓の検査(ホルター心電図など)を定期的に受け、体調の変化を早期に把握する。※当院にて、心臓超音波検査・ホルター心電図検査・12誘導心電図検査・血管動脈硬化度検査を受けることが可能です。
まとめ
ヒートショックのリスクは、浴室に限らず家庭のあらゆる場所に潜んでいます。家全体の温度環境を整えることや、適切な衣服、生活習慣がリスク軽減につながります。また、健康状態を把握するために医師に相談し、適切なアドバイスを受けることも重要です。寒い季節を安全に過ごすために、家族全員でできる対策を実践しましょう。