インスリン注射は糖尿病治療において非常に効果的な手段ですが、正しく使わないと副作用が生じる可能性もあります。ここでは、インスリン注射の基本情報に加えて、注意すべき副作用についても詳しく解説します。
💉 インスリン注射とは?
インスリンは、膵臓から分泌されるホルモンで、血液中のブドウ糖(血糖)を細胞に取り込ませる働きがあります。糖尿病ではこの働きが不足するため、外からインスリンを補うことで血糖値をコントロールします。
🩺 インスリン注射が必要なケース
- 1型糖尿病:インスリンがほとんど分泌されないため、注射が必須
- 2型糖尿病:内服薬で血糖コントロールが難しい場合や、膵機能が低下した場合
- 妊娠糖尿病・手術前後・感染症時など:一時的な血糖管理が必要な場合
🧪 インスリンの種類と作用時間
種類 | 作用開始 | 持続時間 | 用途 |
超速効型 | 約15分 | 2~4時間 | 食後の血統上昇を抑える |
速効型 | 約30分 | 5~8時間 | 食前注射や緊急時 |
中間型 | 約1~2時間 | 12~16時間 | 基礎インスリン |
特効型 | 約1~2時間 | 24時間以上 | 安定した血糖管理 |
⚠️ インスリン注射の主な副作用
① 低血糖(最も注意が必要)
- 原因:インスリン量が多すぎる、食事量が少ない、運動量が多すぎる
- 症状:冷や汗、動悸、震え、めまい、意識障害
- 対策:
- 血糖測定をこまめに行う
- 低血糖時はブドウ糖やジュースで速やかに対応
- 医師の指導のもとでインスリン量を調整
② 注射部位の皮膚トラブル
- リポハイパートロフィー(脂肪組織の肥厚):同じ場所に繰り返し注射すると皮膚が硬くなる
- 皮膚炎・赤み・かゆみ:注射部位の衛生管理が不十分な場合に起こる
- 対策:注射部位を毎回変える、清潔に保つ
③ 体重増加
- 原因:インスリンによって糖が細胞に取り込まれ、脂肪として蓄積されやすくなる
- 対策:食事管理と運動習慣を併用する
④ アレルギー反応(まれ)
- 症状:発疹、かゆみ、呼吸困難など
- 対策:異常があればすぐに医師へ相談
✅ まとめ:インスリン注射は“正しく使えば安心できる治療法”
インスリン注射は、糖尿病の血糖管理に欠かせない治療法です。副作用はありますが、医師の指導のもとで適切に使えば、安全に長期的な血糖コントロールが可能です。注射の技術や生活習慣の工夫を身につけることで、合併症の予防にもつながります。