アフェレシス治療とレオカーナ:対象疾患と治療内容
こんにちは。四天王寺南門前にある内科クリニック。医療法人滋養会赤垣クリニック院長、赤垣洋二です。今回は、他医療施設からの依頼で施行例が増加しているレオカーナについてご紹介します。
アフェレシス治療(血液浄化療法)は、患者の血液から特定の成分を除去または交換する治療法で、血液や免疫の異常を改善する目的で広く使われています。その中で、白血球成分を標的にする治療法として注目されているのがレオカーナ(顆粒球・単球除去療法)です。
レオカーナとは?
レオカーナは、特殊なカラム(吸着装置)を使用して血液中の顆粒球や単球を選択的に除去する治療法です。これらの白血球は炎症を引き起こす物質を分泌するため、これらを減らすことで炎症のコントロールを目指します。
対象疾患
レオカーナの適応疾患は以下の通りです:
レオカーナは、以下の条件を満たす閉塞性動脈硬化症(ASO)の患者に適応されます:
- 血行再建術が不適応な場合:例えば、解剖学的な困難がある、手術が失敗した、または術後に再狭窄が発生した場合など。
- 治療が難しい下肢潰瘍や壊死を有する患者。
一方、ACE阻害薬を服用している患者や抗凝固剤の使用が禁忌の患者には使用できません。
治療内容
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血液の取り出し
患者の血液を静脈からカニューレを通して吸引します。 -
カラムを使用した白血球の除去
レオカーナの専用カラムを使って顆粒球と単球を吸着除去。 -
浄化した血液を体内に戻す
除去後の血液は再び体内に戻されます。
- 治療時間:1回の治療は約2時間。
- 頻度:週2回、最大24回まで保険が適用されます。
- 併用注意点:透析治療と併用する場合、血液状態の変動を防ぐため、体重管理や除水量の調整が重要です。
メリットと注意点
メリット:
- 炎症を効果的に抑制し、薬剤に頼らない治療が可能。
- 副作用が比較的少ない。
注意点:
- 効果には個人差があり、適応外疾患では有効でない場合がある。
- 治療中の感染症予防が重要。
まとめ
レオカーナは、従来の薬物療法で十分な効果が得られない場合に、炎症を抑える新しい選択肢として注目されています。特に炎症性腸疾患や自己免疫疾患の患者さんにとって、症状の改善が期待される治療法です。適応や治療方針については、専門医に相談することをおすすめします。当院では、他医療機関からの依頼で治療可能です。