冬は心臓のサインにご注意を:寒さが引き起こす心臓病リスク
こんにちは。四天王寺南門前にある内科クリニック、医療法人慈洋会赤垣クリニック院長赤垣洋二です。
寒い冬になると、心臓への負担が増えることをご存知でしょうか?冬場は特に心臓発作や心不全といった循環器疾患のリスクが高まる季節です。なぜ寒さが心臓に悪影響を与えるのか、そしてどのように予防すればよいのかについて、今回は詳しく解説します。
1. 寒さがもたらす心臓への負担
冬の寒さは血管を収縮させ、血圧が上がりやすくなります。これにより心臓にかかる負荷が増大し、心筋梗塞や心不全のリスクが高まります。特に、朝の気温が低い時間帯は血圧の上昇が顕著で、急激な血圧の変動が心臓に大きな負担をかけます。
- 血管の収縮:寒さにより、血管が収縮して血流が悪化します。この状態では心臓が血液を全身に送るために、より強く働く必要があります。
- 血圧の上昇:寒さにより血圧が高くなることが多く、高血圧の方は特に注意が必要です。高血圧は心臓の負担を増やし、動脈硬化の進行も早めてしまいます。
2. 冬に注意したい心臓病のサイン
冬場は、心臓がいつもより頑張って血液を送ろうとするため、以下のような症状が現れることがあります。
- 動悸や息切れ:寒さで血圧が上がり、心臓の拍動が速くなることで動悸が感じられます。特に階段を上るときや運動後に強く現れる場合は、心不全や狭心症の可能性も。
- 胸の痛み:胸が締め付けられるような痛みや、重たい圧迫感を感じる場合は、心筋梗塞の前兆かもしれません。特に安静時に突然痛みが出る場合は、すぐに医療機関を受診してください。
3. 冬場の心臓ケア:予防方法
心臓病のリスクを減らすためには、日常生活の中での予防が大切です。以下のポイントを押さえて、寒い冬を健康に乗り切りましょう。
- 体を温める:外出時は防寒対策をしっかり行いましょう。特に、朝の冷え込みが厳しい時間帯に出かける場合は、マフラーや手袋を使って血圧の急上昇を防ぎます。
- バランスの良い食事:塩分を控えめにし、心臓の負担を減らしましょう。冬は鍋料理などが増える時期ですが、過剰な塩分摂取が高血圧の原因になります。
- 適度な運動:寒さで体がこわばりがちですが、軽いウォーキングやストレッチを行うことで、血流を良くし、血管の柔軟性を保つことができます。
4. 心臓病が疑われる場合の対処法
動悸や胸の痛み、息切れといった症状が続く場合、すぐに医療機関を受診しましょう。特に冬場は心筋梗塞や狭心症の発症リスクが高いため、早期の対応が命を守ります。心電図やホルター心電図などの検査で、異常がないかチェックすることが大切です。
まとめ
寒い冬は、心臓にとって試練の季節です。寒さによる血圧上昇や血管の収縮は、心臓に大きな負担をかけます。日常的な予防ケアを心がけることで、心臓病のリスクを減らし、健康な生活を送ることができます。心臓からのサインを見逃さず、寒い季節も元気に過ごしましょう。