冬に多いシャントトラブルとその対策
こんにちは。四天王寺南門前にある内科クリニック、医療法人慈洋会赤垣クリニック院長、赤垣洋二です。
冬は透析患者にとって、シャント(血液透析用に作られる血管)のトラブルが増える季節です。寒さや血管の収縮、感染症リスクの上昇などが主な原因で、シャントの機能低下や合併症のリスクを高めます。以下では、冬特有のシャントトラブルの原因と予防法について詳しく解説します。
冬に多いシャントトラブルの原因
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血管の収縮
- 冬の寒さは血管を収縮させ、シャント周辺の血流を悪化させます。これにより、血液透析に必要な血流量が確保できなくなる場合があります。
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感染症のリスク増加
- 免疫力が低下しがちな冬は、シャント感染症のリスクが高まります。特に、風邪やインフルエンザなどの感染症が重なると、全身状態が悪化し、免疫力が低下するため、二次的にシャント周辺の感染リスクが高まります。
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血栓形成
- 寒さによる血流の低下や脱水の影響で、シャント内に血栓ができやすくなります。これにより、シャント閉塞が発生し、透析が困難になる可能性があります。
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皮膚のトラブル
- 乾燥する冬場はシャント部位の皮膚が傷つきやすくなり、感染や炎症の原因となります。
シャントトラブルを防ぐためのポイント
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シャントを冷やさない
- 寒い時期はシャント部分を冷えから守ることが重要です。外出時には防寒対策を徹底し、手袋や袖口を調整してシャント周辺を暖かく保ちましょう。
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水分補給
- 冬でも脱水を防ぐため、適度に水分を摂取してください。ただし、透析患者は過剰な水分摂取を避ける必要があるため、担当医の指示に従うことが重要です。
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感染予防
- 手洗いや消毒を徹底し、シャント部位を清潔に保つことが重要です。また、体調管理のため、風邪やインフルエンザの予防接種を受けることもおすすめです。
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適度な運動
- シャント部位の血流を良くするため、担当医の許可を得て簡単な運動を行いましょう。例えば、ゴムボールを握る運動などが効果的です。
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定期的なシャントのチェック
- シャントの異常を早期に発見するため、毎日のスリル(振動)の確認を習慣にしましょう。異常があればすぐに医師に相談してください。
まとめ
冬はシャントトラブルが発生しやすい季節です。しかし、日常的なケアと予防策を徹底することで、そのリスクを大きく減らすことができます。特に寒さによる血流の低下や感染症の予防には十分注意してください。また、定期的な医師の診察と早期対応がトラブルを防ぐ鍵となります。もしシャントに異常を感じた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
透析患者にとってシャントは命綱ともいえる重要な存在です。この冬を健康に過ごすために、シャントケアに一層の注意を払いましょう。